これまで「リメイク」には抵抗を感じ、意識的に避けてきた。しかし、そろそろリメイクとやらも見てみたい、それなら黒澤明監督『七人の侍』(1954年)をと、ここにきて『マグニフィセント・セブン』(2016年)を見た。
デンゼル・ワシントン主演、アントワーン・フークア監督。だが、この監督、黒人なんだよね。加えて主役のデンゼルも黒人、ということで1960年代から70年代にかけて流行ったブラック・パワー・ムービー的雰囲気もただよい、懐かしい気分にもさせられた。
しかし、これまで『七人の侍』のリメイクといえばジョン・スタージェス監督『荒野の七人』だったが、これも西部劇仕立てだ。【追記:本稿のあと『荒野の七人』を見て分かったのだが、『荒野の七人』の原題が「マグニフィセント・セブン」そのもの、まんまだったんだね(笑)】
西部開拓といった「フロンティア」も緒についてしばらく、頭の皮を剥いでも余り金にもならなくなったある時代、ある場所、どこといって目立たぬ西部の片田舎町が無法者に乗っ取られ、その際に抵抗して殺された男を亭主に持つ若妻が、「ほかに玉を持つ者がいなかったので」と正義と、復讐心にも駆られ、身銭を切って街を取りもどすべく立ち上がり、一戦覚悟で屈強な味方を募る。題名の「マグニフィセント」とは「崇高」を意味するとのことだが、その崇高な意義のもと、デンゼル・ワシントン以下総勢7人のガンマン勇者が集う。
これが面白くないわけがない、と、ひさしぶりに手に汗握り熱くなった!(笑)
もともと黒澤『七人の侍』の、「野武士の襲来に対抗して侍を雇い、撃破する」という主題で熱くならないはずはないが、これまでは日本人としての土地やら、国民性やらで素直に愉しめない部分もあったが、それが西部劇になってポーンと割り切り純粋映画として楽しめた。あ、それが『荒野の七人』だったのか、と。
つまり『七人の侍』のリメイク『荒野の七人』を、またリメイク『マグニフィセント・セブン』によって、ついに大元祖『七人の侍』の正真正銘のDNAを、本作を通じてはじめて外から覗けたということなのだ。
そしてついに『荒野の七人』まで注文した!(笑)