ひさしぶりに、ずいぶんとひさしぶりに五社英雄監督『御用金』のDVDを見た。市販ではない。NHKのBS(を見ることができた時期に)録画した「板」で取ってあったんだ。因みに見ている途中から画面が飛び、壊れかけてると感じた。が、録画はもう一枚してある。
マニアの心得! コピーは必ず2つ取ること!《忘れるな!》
と、本題にもどるが、64年か65年製作かと思ったら1969年とのこと。これにて映画鑑賞歴の「穴」のひとつが修復! 俺の劇場鑑賞映画第一号は『御用金』だった。
●参考リンク●●
快楽亭ブラックの黒色映画図鑑「御用金」
「大スクリーンの記憶」も確かだった。かの快楽亭ブラック師匠によると、銀座テアトル東京、70ミリでの大迫力スクリーン公開は1969年、つまり昭和44年5月というんだが、1970年の一年まえなら新宿は、上京仕立てではいった施設暮らしの最期の、国立身障センター出て、住み込み内職はさんで、また施設暮らしくり返す「堂々巡り」の中期、「青春の挫折」に囚われてた最悪期だ。
この年公開映画は『ローズマリーの赤ちゃん』(1月)、邦画『風林火山』(3月)、ポール・モーリアのイージーリスニングでも有名な『個人教授』(4月)、ATG作品の白眉?『心中天網島』(5月)、虫プロアニメ『千夜一夜物語』(6月)、アラン・ドロンも出た!異色のオムニバス『世にも怪奇な物語』(7月)、『座頭市』、じゃない勝新が「豪快な殺陣」、だけで光り輝いてた(笑)『人斬り』、そして「寅さん」第一作『男はつらいよ』(8月)、あのピーターも映画デビューしたという『バラの葬列』(9月)、さらには「桜田門外の変」以下駆け足に、二二六事件で一気呵成に「超・問題作」化した感ありの『日本暗殺秘録』(10月)、『続・男はつらいよ』(11月)から『女王陛下の007』『チップス先生さようなら』(12月)まで、こうして見ると1969年は映画にもバラエティー富んでた年なんだな。
さて本題にもどれば映画監督・五社英雄、きのう紹介した『三匹の侍』は「黒澤『用心棒』へのオマージュ」と書いたが、それに基ればきょう紹介の『御用金』は、仲代達矢vs丹波哲郎対決の図にピンと来る、それは小林正樹監督『切腹』の両者対決を意識してのオマージュにも見えるが、ちがうか!?