タイトルは日本の東宝にぶちまけたい怒りだ。
ネットに『2014ゴジラ』に「感動が薄い」だの、「ストーリー部分が弱い」だの難癖つけてるバカが涌いてるが、『ゴジラ』に感動求めてどうすんだ。モチはモチ屋、感動なんか貧乏クサイ映画しか作れない奴らにまかせておきゃいいんだ。
俺はこれまで、1954年の元祖『ゴジラ』を別として、それ以外『ゴジラ』では金子修介監督『GMK怪獣総攻撃』が最高、とまでいってきたが撤回。元祖もダメなら、『GMK』もメじゃない。記憶から消しました。
だから、ギャレス『ゴジラ』が「水爆の申し子ゴジラ」に触れてないからって、全然気にしてない。どころか、もう、そんなこといっててもしかたない。それはそれ、これはこれで割り切って楽しまなくちゃ。
最近はネットに配信されてる『2014ゴジラ』の、「ムートー大暴れ12分バージョン」を起きがけの第一番に見ることを日課にしたくらいだが、まだ「びっくり段階」を経たばかりで、冷静な目では判断できないものの、いまの時点で『新作ゴジラ』の特撮ぶり、怪獣としての真価は群を抜いてる。
映画館でも感じたことだが、見せ方がいい。ゴジラやムートーの巨大感が真に迫って、常に画面を見上げてしまうほどなのだ。
ネット動画ということでパソコンで見たわけだが、21インチ横長モニターに、パソコン効果というのだろうか、ふつうに見てる状態でテレビで見るよりも断然迫力がちがう。ギャレス・エドワーズが、元祖1954年版を踏襲しているなかでの極め付けは、なんといっても夜を舞台にしてることだろう。
1954年という時代では特撮もチャチくて、昼間よりナイトシーンで怪獣を見せた方がよりリアルという効果面だけでなく、特撮の粗さを誤魔化す「逃げ」にもできたが、今回金をふんだんに使えた『ゴジラ2014』なら、昼間のシーンにしても十分見られたはずなのに、それを敢えて夜にしたギャレスはまぎれもない見せ方の才人。やはり、お化けじゃないけど夜の方が圧倒的に怖さが大なのだ。
これ、気がつかなかったが、2時間4分もあるんだよね。それが「余計なストーリー部分」かも知んないが、見ていて違和感がなかったということは、後付けの勝手な言い草。ないものねだりといえるのかも知れない。
とにかく、俺は誰がなんといってもギャレスの『ゴジラ』を推す。
この分なら続篇、続々篇、遠慮なくやっちゃってください。なんでもゴジラ、モスラ、キングギドラの三役そろい踏みも見られるとか、日本のショボイ怪獣バトルにがっかりしてた俺としては、こんどこそ溜飲下げたい。っていっても、日本産じゃないんだよね(笑)。