そう書かねばならないほど最近までいろんな『ゴジラ』が出た。
封切り時の東宝版、それから何十年経ってのリメークと、最近はハリウッド発おそろしくいびつな「ゴジラもどき」まで!
ひさしぶりに元祖『ゴジラ』を見た。しかも、スタンダード映画サイズを、ワイド画面設定で100分まるまる変形モードで堪能した。
この横長白黒画面いっぱい暴れ回るゴジラに驚嘆、また防衛隊に注意をうながす山根恭平博士こと志村喬のセリフも耳にこびりついた。
「ゴジラに光を当ててはいけません!」
第一作、54年版『ゴジラ』は正直怖かったし、いまでも十分怖い!
●ご意見リンク●●
アマゾンのカスタマーレビュー『ゴジラ』
この『ゴジラ』があり、木下恵介監督『二十四の瞳』も封切られ、あのクロサワの『七人の侍』までもが見られた1954年、昭和29年という年の日本映画は凄すぎる!
しかし、51年生まれの俺はわずか三歳。
三歳で映画なんか見られるわけがない。どうやって『七人の侍』や『ゴジラ』を見ることができたんだろう。
そこで引用のリンクが役に立った。レビューの2つ目に注目されたし。
『ゴジラとは何か?』と題し、Kenさんという方がこう書いている。
[昭和41年か42年のことだと思う。
私の通う小学校では、当時は学校があった土曜の朝から男子児童が沸き立っていた。
「今日の午後、4チャンネル(NHK)で『ゴジラ』をやるんだぜ!」]
いやはや、これを見たおかげで、自分の記憶に初めて自信が持てた。
そうだ。「あれは確か昼間だった」という記憶。平日かとも思ったが、「土曜」なら昼間やっててもおかしくはない。確かにコマーシャルに邪魔された記憶もないからNHKかと思ってたが、「天下のNHKが、真っ昼間『ゴジラ』を放映するかぁー!?」という大いなる疑問はここに氷塊した(笑)。
ゴジラといえば怪獣映画の範疇だろうが、まず、そのイメージで見て、いまの若い人は仰天するに違いない。特撮の迫力ではない。特撮ならCGで何だって可能ないまの時代のリアルさにかなうはずもない。着ぐるみ、ミニチュア市街のチープさには、それこそ眉をしかめるばかりだろう。
だが、それに目をつぶってストーリーを追うことができれば、元祖、第一作『ゴジラ』こそが、「地球の終わり」「日本の終わり」を描くカタストロフかつ、反戦、反核、平和を願う人類共通の悲願、深いメッセージを込めた映画かということが、衝撃と感動のもとにあなたの胸にも届くはずである。
そして、もう一度、
「ゴジラに光を当ててはいけません!」