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黒川清委員長の国会事故調報告書が「事故は人災」と断定した。ちなみに、いまや国会事故調でとおってしまった感があるが、正式には東京電力福島原子力発電所事故調査委員会で、「東京電力福島原子力発電所」を冠してある。
そうだ。これは東電が起こした原発事故なのだ。それが人災と断罪されたのだ。 向こう何十年間か、それ以上住めないほど国土のかなりの部分を、消すに消せない放射能汚染で穢し、事故時の放射能拡散により体内被曝、体外被曝をこうむった人的被害は計り知れない。原爆後遺症とおなじく、被害者は今後死ぬまで発症を怖れることになる。 その(当事者性を有す)該当者は、爆発当時、原発のそばにいた福島県住民にかぎらない。事故後の放射能汚染は日本全国津々浦々にわたり、食べるものから飲み水にいたるまで汚染が疑われ、現に忌まわしい調査結果や、忌まわしい現象があちこちで出ている。 しかも、福島県民の多くは子供と大人の区別なく、十分な補償がされないため放射線量地区からの脱出もままならず、軽度の被曝(の蓄積)を強いられつづけている。「被曝の蓄積」という意味からは部外者は一人もおらず、日本人総体に関わることだ。 ●関連リンク●●[田中龍作ジャーナル]から『〈国会事故調・報告書〉 提言は踏みにじられたまま原発が再稼働した』 ウェブ東京新聞きょう付記事『明らかに人災、国会事故調報告書 「当然の備え怠る」』(共同電)で目につくのは、「第一原発は地震・津波に耐えられないほど脆弱だった」という点。 これまで東北地方でどれだけ大きな地震があったか、思い出すだけでも一昨年の例まで数えられるはずである。「宮城県沖」だの「仙台」だのという地名にぴんとこないか。そのたびに関係者なら青くなったはずだが、それへの供えはなにもしなかったわけだ。 考えられないことだ。 原発に対する鈍感さのきわみだ。「安全神話」などとおとぎ話的なことをいうな。この世に「完全」なものなど絶対ないことは小学生にも分かる道理だ。いい大人がバカかと思う。しかもそんな原発が、まだ50近くもある。 暴動を起こすかテロしかない、と、このあいだまでは物騒なことを書いた。自分では起こすつもりもないくせに、救いの神を待っていただけなのだ。 しかし、そうでもない希望が見えたのは先々週のことだ。 首都圏反原発連合の勇名はこれまで注目してきたが、それがネット連帯の可能性と人々の怒りをドラマチックに結びつけ、正に社会派スペクタクルよろしく毎週金曜おこなってきた永田町の首相官邸前「原発再稼働」抗議行動とデモが、最大級の人の波に埋め尽くされたという。 先週、朝霞の兄宅にあそびに行った帰りの車の中で訊いた。「6車線の幅って、どのくらいだろ」というのは、6月29日の官邸前群衆が埋め尽くし、車の流れを遮断して「解放区」にしてしまった占拠幅が6車線だったからである。 その時はビールでアルコールのはいった兄に代わって、かわいい姪っ子が運転してたのでいっしょに考えてくれたが、それによると一車線2メートルはあるが3メートルはないだろうのこと。 それで分かった。 ネットの書き込みか、翌朝買いあさった朝刊各紙で見た記憶に「15」と「70」二つの数字がちらちらしていたからだ。ということは6車線の幅が15メートルで、それを埋め尽くした人波の長さが70メートルだったということだ。 29日深夜におよぶ人の数は、主催者発表20万人だったが(朝日は15〜18万人と報じた)、この数は「まだまだ増える」とみられている。「60年安保デモも経験したが、その時以来」といった人までいた。 原発再稼働方針に踏み切った野田佳彦は史上最低・最悪の宰相として歴史に刻まれるだろう。地震かその他のトラブルで、稼働した原発で「第二の福島事故」が起きた時、その命脈は民主党とともに消え去る。しかし、同時に日本もなくなる時だ。 自民党がつくってきた原発、過酷な事故を経てせっかく停めかかった原発、しかしその自己検証半ばで、担保とすべき安全など無視して、また動かした民主党。政治は常に民を殺してきて、これからも殺しつづけようとしている。 その原発を、殺人政権の息の根も停められるのはいま、同時に市民の側から成る脱原発・反核政党をつくるため、民衆の命の叫びのうねりを結集して立ち向かおう! 7月16日祝日、代々木公園で会いましょう! スローガンの「10万人に一人でも多く!」の願いを込めて参加します。一人が一人に呼びかけ、拡散して、あなたがくれば「20万人」にもなる。 会場で見つけたなら、お気軽に声かけしてください。電動車イスの背中を、このポスターにしているのが俺、ホンマです。
by web_honta
| 2012-07-06 00:09
| 脱原発・抗戦マニュアル
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