『ベニー・グッドマン物語』を日曜洋画劇場で録画したかして、くり返しビデオを見て、感動に酔いしれてたのはいつの昔だったろう。ラストシーンが忘れられない。静かな「ムーンライト・セレナーデ」が軽快に転調、「シング・シング・シング」へと受け継がれる感動、盛り上がりは最高潮だった!
その感動を、いまの時代に受け継ぐとどうなるか!? 40年の時のながれを跳躍し、テレビの映画番組をとおして慣れ親しんだあの曲目が、日本の映像文化、音楽文化としてガッチリ受け継がれた「奇跡」の暗合!
「スイング」と「シング」の違いがどうとかいう訳も考えたものの、音楽音痴の俺がどう、のたもうても恥かくばかりなので、やめ! ここは素直に感想として書こう。
『スゥイングガールズ』が良かった! 感動した。泣いた。そして、そしてそして、鳥肌だった! 40年まえ、アメ公文化としての、アメ公映画の添え物である「恨み」を時の流れは見事に晴らし、いま、日本映画の名脇役として栄(は)えあるラストシーンを飾ってくれたことへの「溜飲」!
上野樹里といえば俺にとっては『アリスの棘』の上野樹里しか知らないが、否、正確にいえば犬童一心監督『ジョゼと虎と魚たち』にもチョイ出演してた上野樹里の昔しか知らなかったが、「そういえば」と思い出した。
しかし……
『フラガール』(2006年)といい、『スゥイングガールズ』(2004年)といい、東北づいてる不思議、東北づいてる暗合の不思議を感ずるのは俺だけではあるまい。これに、俺は『ウォーターボーイズ』(2001年)を加え、青春映画ベスト3としたことに、あまり異論はあるまいと自信をもってる。
とにかくラストのクライマックス、「ムーン・ライト・セレナーデ」〜「メキシカン・フライヤー」〜「シング・シング・シング」までの3曲9分28秒は、ネット言語を用いて表現すれば「神シーン」「奇跡の映像」ということになるだろう。
百聞は一見にしかず! なにはともあれ、ユーチューブでご確認あれ!
リンクはしない。削除されるのは分かってるからだ。だから、お手数でも検索して欲しい。『スゥイングガールズ』ですぐ出る。
こういう映画が出てきたか。日本も、まだまだ捨てたものではないな。勇気を得たし、また明日への生きがいも感じられたぞ。