アマゾンで『陽のあたる坂道』というタイトルをいれると、「お客様は、2014/5/6にこの商品を注文しました。」という「警告」が出る。「老人ボケ」にこの配慮はうれしく、それがため「警告」と称する所以だが、いつも脳裡に刻まれてる重要作品同様、田坂具隆監督の1956年日活作品も忘れようとて忘れられない映画だ。
しかし、このDVD、まだ観ていないのはなぜか!?
というのも、この『陽のあたる坂道』には双子の関係にも似た、おなじ田坂具隆監督の1958年作品『乳母車』があるからだ。その昔、この2本は我が家のビデオラックに、いつも仲良し姉妹のように隣り合わせていたものだ。しかし、妹にあたる『乳母車』が、まだ中古でも1万円と高かったため手が出せなかったのだ。
それが「3000円」になっていた。だったら買わなきゃバチが当たる!(笑)
石原裕次郎が若い! あの「裕ちゃん」といっても、無国籍アクションのタフガイ裕次郎とは違うんだ。「おなじ日活がこんな良心作を作ってた!」と、愕くばかりの石坂洋次郎原作明朗青春映画だ。
ここで忘れてならないのがもう一人、花であり蝶でもあるヒロイン、芦川いづみの気品を持った清楚な美しさだ。その清純をわきで支えて、宇野重吉、新珠三千代の滋味、慈愛、ぶっちゃけ「不倫」要素も加わって(笑)物語に厚みと深みをたたえる。
こういう映画です。
●参照リンク●●
[隙だらけ 好きだらけ日記~映像 写真 文学 そして風景~]が紹介する《青春映画の至宝!》『乳母車』
画像は不倫の中心の宇野重吉を囲んで、妻だの愛人だの娘や弟だのが親族会議?の鳩首談合(笑)。ともあれ、やっと『陽のあたる坂道』とセットで観られる日がくるのである。ほんとうに嬉しい!