もう一カ月以上もまえになるが、『「徳川女刑罰史」と「七人の侍」を一つ俎上に乗せるバチ当りW』と題した記事を書き、そのなかで二つ映画を紹介しながら、リンクも何もせず終わらせてたことに気づき、ここで軌道修正します。
『七人の侍』はここでは関係ありませんので悪しからず。
わたしがそこで中心課題として書いたのは表題の『徳川女刑罰史』と『徳川女刑罰絵巻・牛裂きの刑』でして、これがネットでは二つともアップされてます。
いやはや驚きました。もちろん違反行為ですのでそのうちには外されるでしょう。参考までに見ておいてください。そして良かったら買ってあげてください。いや、買ってゼッタイ損はないはずです、いまやカルト人気の映画だから。
●いまをときめくリンク−1●●
東映エログロ時代劇『徳川女刑罰史』(1968)
●いまをときめくリンク−2●●
東映エログロ時代劇『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』(1976)
いまや石井輝男監督、牧口雄二監督の映画といったら「カルトの世界」「カルト映画の雄」と讃えられてますが、わたしはリアル世代で劇場で見た者です。ただ、当時十代ということもあって刺激が強過ぎました(汗)。
倒錯、変態なエログロ度はもちろん、時代劇ということでの血の量もハンパなかった。それほど強烈な印象だったのに、何をまちがえたか後続ではなく、先陣の『徳川女絵巻』を買ってしまった(笑)。
『—牛裂き』だけは早く持ってましたがね(笑)。
テレビの影響による映画の衰退は何かにつけていわれてきましたが、それと平行して黒澤明監督の『用心棒』による描写のリアルに触発、というか「遅れてならじ」の焦りから時代劇の見世物度はどんどんアップした。
我が家には、すでに踊りのような剣戟だった片岡千恵蔵、市川歌右衛門の明朗時代劇はなく、片岡千恵蔵はリアルな『血槍富士』があるが、ほかは近衛十四郎「柳生十兵衛」も初期のではなく、最期の作品となるリアルさ満載の『十兵衛暗殺剣』があるのみだ。
「暗い」「やりきれない」「救いがないラスト」と三拍子揃った後味の悪さだったが(笑)、馬鹿笑い喜劇が何も残らず、それより木下恵介の「哀憐切々映画」がどんよりと心に残るように、陰惨で殺伐な殺陣の時代劇はなかなか心から消えないものだ。
錦之助の『宮本武蔵』五部作なんか十年にいっぺんも見ればいいくらいだが、『十兵衛暗殺剣』などに見るあの白黒映画の重さ、暗さは、どうにも惹きつけられて時々は引っ張り出したくなるもんなんだよねえ。