映画『AIKI』は2002年8月公開。7/200!
ともさかりえは1979年10月生まれ。だから映画『AIKI』に出ていたころは22歳ということになる。
ともさかりえが見たくて『AIKI』のDVDをひさしぶりに見た。
『AIKI』はバイク事故で下半身不随となった青年が、絶望の淵から立ちなおり、格闘技合気柔術との出合いをとおして見事に再生——というと「福祉映画の請け売り」みたいだが、全篇爽やかな青春映画のノリで進行し、希望に向けて前進する幕切れも立派だ。監督天願大介、ちなみに天願の父は「日本映画の父」ともいえる大監督今村昌平だ。
先日、韓国映画『オアシス』を紹介する際に、「日本にはここまでリアルに描写する障害者映画は皆無」といってしまったが、早くも前言撤回する(恥笑)。この『AIKI』、このたび見なおして障害者描写——ここでは脊髄損傷者描写のリアルさに「天晴れ、よくぞここまで!」と感服した。
ちなみに「脊損」は、おとなの施設などで脊髄損傷者をいいならわす略称で、脊損者の苦労は尿、つまりションベンで、排泄がスムーズにいかないため、便座にまたがった障害者の男は、膀胱の位置にあるおなかを叩く行為をよくするが、そんな描写は当然として、セックスの悩み——勃起しないことの深刻な悩みも余すところなく再現している。じつは実際のモデルとなった海外の障害者自身が、「演じるなら正確な描写を」と求めたといわれ、その真摯な演出姿勢にも打たれる。
惜しむらくはともさかりえである。
最初に「ともさかりえが見たくて」と書いたが、本音は「ともさかの裸が見たかった」のかも知れない(笑)。じつはセックスシーンはあるが、唯一肝腎のともさかの裸はない(泣)。これを、何も知らない、否、知る努力すらしない「自称映画マニア」が「ともさかは脱がなかった」「ホンモノの女優ならここぞという時には脱ぐだろ」と怒ってるが、バカ者! よく読め。ちゃんと書いてある。ともさかは全裸シーンも覚悟で撮影に臨んでたのだ。それを監督天願大介が「R指定にかからぬよう」つまりは万人対象を狙ってハダカを避けたというのだ。
まったくスケベーどもには残念なことだったが(笑)、その結果『AIKI』を見る観客が増えたなら良かれと銘ずべしなのか。ともさかの裸は夢の世界で見ることにしよう(泪)。
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