『地獄の黙示録』(ベトナム戦争)を番外・次点として(笑)、『スターリングラード』(他国製ながら、ソ連が国を挙げてナチと戦った大祖国戦争)、『戦場のピアニスト』(ナチ占領下ポーランドに生きるユダヤ人芸術家のサバイバル戦争観)と、時代と趣を変えた戦争映画3本を見てきたが、きのうはまた変わってた。
はじめは軽く「女007」の乗りでかけた『シャーロット・グレイ』(ジリアン・アームストロング監督 2001年イギリス・オーストラリア作品)だったが、時は第二次大戦の時代で「反ナチ」的色合いが濃厚となればれっきとした戦争映画、思わず襟を正した。
が、主人公(ケイト・ブランシェット)の初期段階ではそれほどの緊張感はなかった。偶然汽車で知り合った男に誘われた出版パーティー、出席したのも「酒が飲めるから」? 「だったら出版社にでも勤めろよ」と同僚から悪口叩かれるほどで、パーティーで親しくなった男とその夜のうちに結ばれるが、どうみても軽い関係だ。
結局、レジスタンスの恋人は前線で行方不明になり、恋人捜索もかねて、シャーロットも達者なフランス語を買われてフランスでのレジスタンス運動に関わる。そこからいよいよストーリー的にも本領発揮で、ハラハラドキドキ手に汗握る戦争スパイ映画となる。
こんどもNHK−BSで録画したものからだが、画質の良さには目をみはる。ネットのレビューのも書いてあるように、戦争をテーマにした名画に『ひまわり』という名作があるが、あれのひまわり畑に対して、本作では横長のシネマスコープ画面いっぱいに紫のラベンダー畑が広がり、緑の森とのコントラストが目も覚めるほどだ。
雨に濡れる夜の街角のしっとり感も、ナチ統治下の陰湿な緊迫感とともに、時代の暗さを感じさせるリアルな演出効果にしびれる。それもこれも映画だから楽しめることで、とはいえリアルな疑似効果は映画の醍醐味だ。監督が女性と知って妙に納得だ。
ところが、この映画ネットではあまり評判良くない。
というのも、主人公のシャーロット・グレイのキャラが、「フランス語に堪能」とまでいわせてフランス入りさせるのに、使われてる言語が全編英語だからだ。そういわれて良く聞けば俺だって「サンキュー」が英語だくらいは分かるが、それでも気にならない。
しかし画質は良いが、それ以外に問題あり、というのも、音声はちゃんと聞こえるのに、画面が一瞬だが止まったり、止まったまえか後では早送りになったりとイライラする。
いっそ、市販で買おうかとも思ったが、なんと! 380円。新品でも287円?? 中古で58円。なんだかなー、だ(笑)。
しかしケイト・ブランシェット、かっこいいよね。
画像はクライマックスの1つなんだけど、(鬼婆じゃあるまいし、失礼にもこれが「怖い!」という人も多いようだが)俺は「目力(めじから)」といってこれを買う。
拳銃をかまえるポーズが心底「サマになる」女なんか、めったにいないぞ。